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◎ 沈黙の町で  奥田英朗

 

朝日新聞出版 2013年2月
中学二年生の名倉祐一が部室の屋上から転落し、死亡した。屋上には五人の足跡が残されていた。事故か?自殺か?それとも…。やがて祐一がいじめを受けていたことが明らかになり、同級生二人が逮捕、二人が補導される。閑静な地方都市で起きた一人の中学生の死をめぐり、静かな波紋がひろがっていく。
 
被害者家族や加害者とされる少年とその親、学校、警察などさまざまな視点から描き出される傑作長篇サスペンス。 
ある少年の屋上からの転落死 その事件の真相をいろいろな方向から描く事で浮かび上がらせていく
奥田さんらしい切り口だと思います 私は好きだなぁ
 
この感想はネタバレを含みます^^;
 
子供達は色々な面をみせる そのどれもが本当の姿なんでしょうね・・・
“いじめ” とひと言で言うけれどいろんなパターンがある “いじめた子供達”とひと言で括ってしまうのは 瑛介や健太には少し酷な気がする つねったという一事で言えば朋美もいじめた子供達に入るんだよね
 
かといって いじめで亡くなったお子さんの親御さんがこれを読んだ時の気持ちを考えると やるせない気持ちになる  自分の子供の事件もこんな風だったんじゃないの?って考えられたらたまったもんじゃない
 
事実の羅列だけで結論がないお話だけど こういう問題には結論なんてないんじゃないかな・・・
いじめで自殺=いじめた子供が悪い っていう図式だけじゃ片付けることのできないものがあるんじゃないのか?という問題提議の作品だと感じた(もちろんいじめることを容認しているわけではありません)
 
もちろん 面白半分のいじめがエスカレートして自殺してしまうということもあると思う(そちらのほうが多いのかもしれない) そして どんな事情があっても人一人を死に追いやったという事実は軽んじられるものではない
でも この物語を読んで 瑛介や健太が大きな罪に問われなくてすんでほっとされた方は多いんじゃないかな?
 
この結末は“いじめによる自殺”ではないのかもしれないけれど 限りなくそれに近い
その責任が苛めた子供にあるとしたらその苛めた子供とは誰をさすのだろう・・・
逮捕、補導された4人の他に不良の井上や三年生、クラブの後輩なんかもそうだろうし 背中をつねった女子を含む祐一を無視したり 屋上から木に飛び移れないのを笑ったり囃したりした子供達もそうだよね
 
学校と言う箱の中 未熟な子供達が集まった所で起こる連鎖・・・
考えても答えは出ないのかもしれないけれど こうやって考えさせることが奥田さんの狙いなんだろうなぁ
 
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コメント

No title

奥田英朗さんの作品は大好きっ
これは まだ読んでいないので
にゃ~ごさんのネタバレを読まないでおきます(笑)
本を読んだら また来ますッ(笑))
ありがと~です

No title

「考えさせることが奥田さんの狙い」、その通りですよね。
女性心理を描いた作品にも男性作家とは思えないと感じましたが、それ以上に見事な中学生たちの描写でしたよね~

No title

☆いむっぺちゃん
奥田さん 私も大好きです^^
ちょっと重たい内容ですが色々考えさせられる本でした 又読まれたら感想聞かせてくださいね!

No title

☆砂時計さん
紹介ありがとうございました とってもおもしろかったです!
私は奥田作品は伊良部シリーズから読み始めたので際物の作家さんかと思っていたのですが(笑)作品を読み進めていくごとにいろんな作品があって唸らされます
またおもしろい作品がありましたら教えてくださいね!

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