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○ 京狩野三代 生き残りの物語  五十嵐公一

 

吉川弘文館 2012年12月
大坂夏の陣の後、大坂から京都に移住し、以降、京都を拠点に作画活動をした京狩野家。
秀吉から家康へと政権が移る激動の時代、京狩野家は山楽・山雪・永納を中心に、京都画壇内に確固たる地位を占めていく。庇護者九条幸家の人物像や三人との親密な関係を明らかにし、京狩野家の個性豊かな作品と生き残り戦略の実態を浮き彫りにする注目の一冊。
 
プロローグ 「注文主」と「絵師」の関係を越えて
第1部 九条幸家という「注文主」(九条幸家の誕生まで―幸家につらなる人びと;九条幸家―摂関家当主、その生涯)
第2部 「絵師」京狩野家の三代(狩野山楽―九条幸家との接点;狩野山雪―山楽から継承したもの;狩野永納―京狩野家の生き残り戦略)
エピローグ 九条幸家の聖恩と京狩野家の存続
 
「狩野 山楽・山雪」の美術展がとってもよかったのだけれど「京狩野」という言葉さえ知らなかったので 少しお勉強してみようと思い読んでみた
 
秀吉から家康へと政権が受け継がれた時代に 家康と供に拠点を関東に移した「狩野本家」とは別に 拠点を大阪から京都に移し活動を続けた「京狩野」の初代から三代までを 歴史的な資料を基に分析している
 
彼らの庇護者であった九条幸家の社会的立場や家系 当時の公家の世界が垣間見れておもしろい
京狩野だけでなく公家の間でも 生き残りをかけて右往左往していた時代だったんでしょうね・・・
 
心に残ったのは 主題とは関係ないのだけれど 九条幸家の奥方“完子”さんの人生
彼女は 浅井三姉妹の末娘お江二代将軍 徳川秀忠に嫁ぐ前豊臣秀吉の甥 豊臣秀勝との間になした子で
淀殿の猶子となった この九条家への嫁入りも淀殿が支度し人目を驚かせるほど豪奢なものであったらしい
豊臣と徳川、そして朝廷 それぞれに深く関わった彼女の人生が ここで知る限り穏やかな物であったように感じられるのはとても嬉しい事だった
 
そして 「狩野 山楽・山雪」展で 心を惹かれた“狩野山雪”の人となり
展覧会で拝見した彼の絵は 辻惟雄氏の「奇相の系譜」で 岩佐又兵衛、伊藤若冲、曾我蕭白、 長澤蘆雪、歌川国芳 と並び評されるほど個性的だったので もっと破天荒な人なのかと思っていたら・・・
舅である師をよく支え、後を継いでからは自派の存続に心をくばり、描くための学問をよく修め とても保守的な人間像が浮かんできて驚いた
 
資料を基に歴史的な事実を並べた本なので読み辛くはあったけれど 興味深かったです
 
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コメント

No title

あ♪
私も狩野が知りたくて
今『谷津 矢車』洛中洛外画狂伝 を読んでいます
この本も 気になるわぁ♪
ご紹介 ありがと~ございます♪

No title

☆いむっぺちゃん
これは小説じゃなく“実際残ってる文献から作者が当時の京狩野の活動や在り方を探る”といった本です 文献や系譜だらけで読みにくいですが 当時の人間関係や時勢がわかって 小説とはまた違ったおもしろさがありましたよ^^

『谷津 矢車』洛中洛外画狂伝・・・永徳なんですね~ 私も読んでみます!ありがとう(*^^*)v

No title

あ(笑))
↑ おすすめって事ではないですよ(笑))

No title

☆いむっぺちゃん
えっ?(笑))
そうなんですか?(笑))
読む気満々で図書館予約しようとしたら無かったんで 買おうか悩んでたんですよ・・・ じゃあ保留ってことにしときます!(*^m^*)

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