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☆ すべての見えない光  アンソニー・ドーア 訳 藤井光

すべての見えない光
新潮社 (2016/8/26)

孤児院で幼い日を過ごし、ナチスドイツの技術兵となった少年。パリの博物館に勤める父のもとで育った、目の見えない少女。戦時下のフランス、サン・マロでの、二人の短い邂逅。そして彼らの運命を動かす伝説のダイヤモンド―。
時代に翻弄される人々の苦闘を、彼らを包む自然の荘厳さとともに、温かな筆致で繊細に描き出す。
ラジオから聞こえる懐かしい声が、若いドイツ兵と盲目の少女の心をつなぐ。
ピュリツァー賞受賞作。


=二次大戦下のフランス モン・サン・ミシェルからほど近い海辺の街『サン・マロ』 その美しい街を舞台にナチスドイツの技術兵となった少年と目の見えない少女の短い邂逅の物語=
読まれた方も『一編の詩を読むよう』とか『美しい物語』とか書かれていたので 戦時下の辛い描写はあっても、基本『切なく美しい物語』かと思っていたのですが… 一見叙情的な物語の中にとても骨太のものを感じる一冊でした

何より『第二次大戦下のフランス』というものを想像したことも無かった私…
当時のフランスはドイツの侵略を受け多くの地域がドイツの占領下にありました 
『サン・マロ』もそうした街の一つです 
冒頭、サン・マロが 空爆で壊滅的な被害を受けたとの記述があるのですが 攻撃したのは連合国側 そう、占領していたドイツ軍に対する味方の攻撃なのです
もちろん民衆には 攻撃予告と避難するように書かれたビラがまかれるのですが 味方の攻撃によって長年住み慣れた街が壊されてゆくというのは なんともやるせないですね…



今迄あまり読まなかった海外作品ですが『HHhH (プラハ、1942年)』 で読んだチェコ『革命の堕天使たち―回想のスターリン時代』『卵をめぐる祖父の戦争』で読んだロシア『タンゴステップ』で読んだ スウェーデンとナチスドイツの関係 そしてこの物語のフランスと 二次大戦の頃の他国を知るのはとても興味深かったです
戦争に勝とうが負けようが どこの国の方々も、とてもつらい時間を過ごして来られたのですね…

そして共産圏に支配された地域では 戦後も言論の自由もなく命さえおびやかされるような事も… 敗戦国である日本が いかに恵まれた戦後を過ごしたのかということが身に沁みました
高度成長期で何の苦労もなく過ごした自分自身を振り返り 同時期に厳しい生活を強いられた方が沢山居たことを改めて考えさせられました



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