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○。サロメ  原田マハ



文藝春秋 (2017/1/16)
現代のロンドン。日本からビクトリア・アルバート美術館に派遣されている客員学芸員の甲斐祐也は、ロンドン大学のジェーン・マクノイアから、未発表版「サロメ」についての相談を受ける。

このオスカー・ワイルドの戯曲は、そのセンセーショナルな内容もさることながら、ある一人の画家を世に送り出したことでも有名だ。 彼の名は、オーブリー・ビアズリー。 保険会社の職員だったオーブリー・ビアズリーは、1890年、18歳のときに本格的に絵を描き始め、オスカー・ワイルドに見出されて「サロメ」の挿絵で一躍有名になった後、肺結核のため25歳で早逝した。

当初はフランス語で出版された「サロメ」の、英語訳出版の裏には、彼の姉で女優のメイベル、男色家としても知られたワイルドとその恋人のアルフレッド・ダグラスの、四つどもえの愛憎関係があった……。

退廃とデカダンスに彩られた、時代の寵児と夭折の天才画家、美術史の驚くべき謎に迫る傑作長篇。
世界観は凄かった 『サロメ』の世界に引きずり込まれたのだけれど…
要となるメイベルのキャラを受け入れ難かった 実在の人物のお話なので余計にそう感じたのかもしれない

途中に挟まれる『サロメ』の文章には惹き込まれる 
とても効果的に引用していると思うし 題材も興味深い なのにメイベルの役割があまりに俗的で もう少し違う形の物語にならなかったのかと…
そんな事を言ってしまうと この物語自体を否定することになるのかな^^;

夭折の天才画家ビアズリー、男色家としても知られた時代の寵児ワイルド、その恋人と言われているアルフレッド・ダグラス 写真を見、経歴を調べながら読み進める
事実のあらすじだけでもスキャンダラスでミステリアスな面々
そこに『サロメ』のエキサイティングな挿話が絡む

これだけの題材なのだから こんな俗的なお話でなく もうちょっと意外性のある謎めいたお話のほうが嬉しかったなぁ…



=備忘録=
よく見かける『男の生首と美女』の絵 私はみんな『ユディト』だと思っていましたが 『サロメ』と『ユディト』があるのですね  見分け方は『サロメ』では銀の皿に男の生首を乗せていて、『ユディト』は剣を持っているそうです

『サロメ』は 
新約聖書に登場する女性。新約聖書では、「サロメ」の名を伝えていないことから、学問上は単にヘロディアの娘と呼ぶことが多い。
サロメの母ヘロディアは、はじめユダヤのヘロデ大王の王子ヘロデ・ピリッポスの妻となりサロメをもうけたが、後に実父の異母兄弟であるヘロデ・アンティパスと恋仲になり離婚、ヘロデ・アンティパスの妻となった。
洗礼者ヨハネはヘロデ・アンティパスに、「その女をめとるのは、よろしくない」と言ったので、アンティパスはヨハネを捕え、獄に入れていた。
サロメは、ヘロデ・アンティパスに、祝宴での舞踏の褒美として「好きなものを求めよ」と言われ、母ヘロディアの命により「ヨハネの斬首」を求めた。

『ユディト』は
旧約聖書外典の1つである『ユディト記』に登場するユダヤ人女性。
アッシリア軍に包囲されたメディアのベトリアという町で 指導者は水源を絶たれたため降伏を決意するが ベトリアに住む『ユディト』と言う美しい女性が着飾ってアッシリアの司令官ホロフェルネスのもとに赴き 四日目に油断して泥酔し眠っているホロフェルネスの首をホロフェルネスの短剣で切り落とした。
司令官殺害は包囲軍の知るところになり、激しい動揺を引き起こす。ユダヤ人はこの機会を逃さず、出撃し、敗走するアッシリア軍を打ち破った。
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コメント

No title

マハさんの美術小説、大好きです

これも読んでますよ^^
評価は『4』か『4.5』だったような。。。

No title

☆あかんたれさん
私もです~~(* ^^)人(^^ *) ナカマ♪

「ジヴェルニーの食卓」や「暗幕のゲルニカ」は大好きだったんだけど…
これは 調べると素材がとても独特の世界だったんで ちょっと平凡に仕上がってるかなぁと 辛めの採点になってしまいました^^;

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